ヘルレイザーシリーズで話題のクライブ・バーカーが送り出した短編集「血の本」シリーズ。それの第1巻「ミッドナイトミートトレイン 真夜中の人肉列車」の表題作を、「VERSUS -ヴァーサス-」「あずみ」「ノー・ワン・リヴズ」等で話題の北村龍平が監督となり実写化した本作。

血糊たっぷり、連続する遠慮なしの殺人シーン、人間処理などのゴア好きにはたまらない最高の作品に仕上がりました(原作ファンの間では評価が分かれるようですが)

そんな訳で、今回はゴア好き・グロ好き・サスペンス好きを魅了した本作をさらっとさくっとご紹介させて頂きます。

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深夜の地下鉄・列車内にぶら下がる肉

海外の地下鉄って何だか治安が物凄く悪いイメージがありますよね。ヤンキー達の落書きが至る所にされていたり、掃除してないのか?と思う程汚かったり、柄の悪い男に絡まれたりと。

本作以外にも地下鉄をモチーフにしたホラー・サスペンス映画がありますが、特に深夜ともなるとそういうイメージが向こうでも未だに持たれているのでしょうか。

薄暗く薄汚い地下鉄、自分達の他には乗客が居ない、そしてハンマーや肉切り包丁片手に襲い掛かってくる謎の男、列車内を埋め尽くすように並びぶら下がる人間の死体……その光景はまるで食肉処理工場のようです。

いきなり列車内で男が目を覚ますと、通路は大量の血で染まり、向こうの車両では見知らぬ男が肉切り包丁を振り下ろしている姿が……そんなシーンから突如物語は始まります。

深淵をのぞき込むとき、その深淵もこちらを見つめている

シーンは打って変わって、何とか成功しようと頑張っているカメラマンのレオンの話になります。彼は“街の心臓”を撮る事を夢として、日々カメラ片手に街中をウロウロしているのですが、なかなかいいシーンが撮れません。

ある日、恋人のマヤに友人を通じて有名画廊のオーナーで美術家のスーザンを紹介して貰ったのですが、「こんなの“街の心臓”とは言えないわ。ありきたり。もっと凄いのが撮れたらもう1度連絡して頂戴」と突き返されてしまいました。

何とかいい写真を撮ってやろうと意気込んだ彼は、真夜中の地下鉄に辿り着きます。そこで女性がチンピラ共に絡まれているのを見かけ、写真を撮って挑発し、ブチ切れそうなチンピラに監視カメラの存在を教える事で追っ払う事にもいい写真を撮る事にも成功しました。

女性からお礼を言われ、ついでに車内に乗り込んでいく彼女の写真も撮って大満足。

しかし、翌日新聞を見ると、昨夜の女性があの後から行方不明になっている事に気付きます。マヤに言われすぐ警察へ行き事情を話したのですが、全く相手にされずにあしらわれてしまいましたが、写真の方はスーザンに大好評で、3週間以内にあと2枚いいのを持って来て欲しいと言われます。

成功の前祝いとしてマヤと友人ユルギスと簡単なパーティを開き、翌日からレオンは早速残りの写真を撮りに行ったのですが、そこで怪しげな男を発見。

何となくその男の後をついていくと殴られてしまい(そりゃ知らないヤツに後をつけ回されたら怒るでしょう)謝ってその場を後にするも、その男のつけている指輪が、あの夜、あの女性が消えた夜の列車の写真に写り込んでいた指輪と同じだと気付くレオン。

よせばいいのにその男の調査・この街で連発している行方不明の捜査・あの地下鉄の捜査にのめり込んでいくようになり……。

合間合間に入るグロゴアな殺人シーン

主人公レオンはそのようにして男の行方に迫り、マヤとユルギスは様子のおかしいレオンを心配して男を探し出していくサスペンス風が続くのですが、その合間合間に列車内での殺人シーンが入ります。

ハンマーとフックでガッツン、ゴッツン。血は飛び散り、血だまりが広がり、頭は吹っ飛び、目玉は飛んでいき、薄汚い列車内が鮮血の赤と変色した黒に染められていきます。

更に、丁寧に服や靴などの私物をビニール袋にしまい、髪をバリカンで刈り上げ、目玉を抜き、歯を抜き、爪を剥ぎ……“処理”を行うと食肉処理工場のように列にぶら下げるので、その光景は圧巻です。

殺人シーンも処理シーンも丁寧に無駄なく遠慮なく映してくれるので、物足りなさはないでしょう。グロ、ゴア好きにはたまりませんね。

進む調査・明かされる真実

レオンは単独で、マヤはユルギスと共に男の謎を追います。どうやら男は食肉処理工場に勤めていて、名前はマホガニー、アパートの1室で暮らしているようです。

マヤは何とかマホガニーの自室からかなり古い時刻表の束を手に入れるのですが、警察は取り入ってくれず、それどころか「部屋の住人は“大切なもの”をあなた達に盗まれた、と言っているわ。あなた達がしたのは不法侵入と窃盗よ。盗られたものを返してくれれば訴えないと言っているの、返しなさい」と言われてしまいました。

警察を信じられなくなったマヤは適当に誤魔化して慌ててその場から逃げ出します。何かがおかしい、彼女はここに来て漸く恋人の言葉を信じるようになりました。

一方レオンはスーザンの画廊展に来て、絶賛の言葉を貰っていたのですが、自分が撮ったマホガニーの写真を見て「列車に乗らなくては」と何かに取り憑かれたようにスーザンの言葉も無視してフラフラとその場を後にしていきます。

意を決して列車に乗り込むマヤ。覚悟を決めて処理工場から使われていない地下鉄のホームに降り立つレオン。その先で待っているマホガニー……死闘の先、驚愕の真実があなたを待ち受ける。

この先はレオンとマホガニーによる必死のバトルが続きます。肉包丁とハンマー。狭く“肉”が並べて吊るされている列車内でのバトルはハラハラドキドキ、アクション好きな方はお好みなのではないでしょうか。

そして結構長いバトルの果てに、隠されていた真実が露わになり、レオンの行く末が絶望感を伴い、果てのない道へと続きます。

という訳で、ちょっとだけネタバレ

地下には、古くからの住人(クトゥルフとかですかね?)がいて、彼らは人肉を食べるのだそうです。それで選ばれた人間はあの列車を使って肉を用意しなければならない、との事。

運転手も、警察であった女性もグルで、マホガニーはお肉を手に入れ処理して運ぶ作業をしていたのですね、それは“名誉ある仕事”だそうです。

それで、結局レオンはマホガニーを倒したのですが、マホガニーの跡継ぎになってしまったのです。マヤを目の前で殺され(心臓抉り取られた)、レオンは舌も引き抜かれ(これはマホガニーも同じでしょう。彼が最後の最期以外全く喋らなかったのは、喋れなかったからですね)無抵抗のままそのお仕事に就く事になりました。

全てを失い、人を殺し続けなければならなくなったレオンの声なき絶叫は、絶望感を表していますね。

ああ、それで、何でこんなお仕事をしているのかというと、お肉をあげないとソイツらは空腹を感じてお外に飛び出て街中の人間を無差別に食い荒らすからだそうですよ。

私は原作を読んでいませんが、とても大きくてとても邪悪で抗いようがない、そんな存在がそこにはいるらしくて、実写化はされていないのだそうです。

興味を持った方は、是非原作もチェックしてみましょう。短編なので短いのですが、レオンがそのお仕事についた理由などをもっと深く表現されているらしいですよ。

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