鏡は昔から怪談話によく出てきますよね。学校の七不思議や都市伝説にも鏡関係のネタはかなりありまして、特に多いのが合わせ鏡です。

何時何分何十秒に合わせ鏡をすると、将来の結婚相手が見えるとか、悪魔が見えるとか、自分の死ぬ時の姿が見えるとか、鏡の向こうに連れて行かれるとか、上げだせばキリがないくらいですね。

はるか昔の儀式やらお祈りやらでも鏡は使用され、神秘的なものとして扱われてました。カメラと同様に自分の姿が映るので昔の人々は鏡を恐ろしいものとしても認識していたそうです。

そのせいか、現代でも視えないものが視える、という認識がされており、鏡に関する怖い話は後を絶えませんが、今回はホラー映画のご案内ですので、この話はこの辺にしておきましょうか。

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鏡の中に何かいる

アレクサンドラ・アジャ監督作品の本作は、誤射により停職になった元刑事が、昔大火災で何十人もの死者を出し、廃墟のまま放置されている元巨大ショッピングセンターの警備員のお仕事を始めた所からになります。

主人公は精神的に参っていて、その上廃墟の夜勤をしているので、更にクタクタなのですが、そんな時、彼の前任である男がガラスで首を掻っ切り死亡したとの話が出てきます。

同時期に主人公は鏡の中に何かを感じるようになり、鏡越しに悲惨な事故の現場を見たりするようになり、彼の肉親者にまでも異変が忍び寄るようになりました。

ホラー映画でよくあるように、いくら言っても周りは信じてくれません。むしろ狂人扱いされる主人公は1人でこの現象の原因を探しに頑張ります。

スプラッター満載のグロ要素

まず、主人公の前任者の死に様なのですが、何かから必死に逃げようとしていたのですが、ロッカールームのような場所に逃げ込むも裏側に鏡がついたロッカーの扉が勝手に開いていき、怯えきった彼は洗面台の鏡に謝り出します。

必死に謝る前任者ですが、いきなり鏡にヒビが入りパリーン。床に散らばった鏡の破片を男は拾うのですが、鏡には冷酷な表情の男が映ったまま、確実に男と鏡が合っていません。

そして鏡の中の男は、呆然と見上げる男を尻目に拾った鏡の破片で自分の首を切り始めます。すると何もしていない男の首から、まるで何か鋭いものに切られたように血が溢れ出ていきました。

また、主人公は妻子持ちなのですが、二人の幼い子供と奥さんとは別居をしていて、美人な妹の所に転がり込んでいるのですが、その美人で兄思いな妹にまで鏡の魔の手が伸びます。

彼女が服を脱いでお風呂に入ろうとすると、通り過ぎた鏡の中の彼女が立ち止ってしまいます。そして自分の両手で上顎と下顎を上下にグイグイ持ち上げていって、それに比例して現実の彼女の口もどんどん大きく開いていき……メリメリ、メリメリ、必死の抵抗も虚しく、悲痛な叫びを上げながら彼女の口は真っ二つに。

こんな感じでなかなか容赦のないスプラッター要素が盛り込まれています。もちろんホラー要素はバッチリ入っていますので、ご心配なく。

鏡、鏡、鏡

ところで主人公が働く廃墟には、いたる所に鏡が配置されています。しかも一番大きな場所にある一番大きな鏡は前任者が毎日熱心に磨いていたとかで傷1つないツルツルのピッカピカ。

まぁ鏡なんて何処にもあるのですが、主人公が住まわせて貰っている妹の家、主人公の家族が住んでいる家、街中、何処にだって鏡は溢れかえるほどあります。

しかも、自分の姿が映るのは鏡だけではありません。戸棚やテレビの表面にも、水たまりにも、ドアノブにも、きちんと映ってしまいますので、むしろ映らない場所を探す方がかなり難しいですね。

必死に過去の出来事などを調べていた主人公は、とりあえず自分の姿が映るものすべて危険だと知ったので、ちょっとでも映り込んでしまうものすべてを塞いだり、ペンキを塗ったりして映らないように頑張ります。

エシィカーとは

本編の内容に戻りますが、前任者の財布の中に入っていたメモや、大火災を行った犯人の供述ビデオの内容から「エシィカー」という名前が出て来るようになります。

例の傷一つない鏡からも「エシィカー」をアピールされて、主人公は必死に「エシィカー」を探してみますが、犯罪経歴を持つものにも、火事の際の犠牲者にも、そんな名前の人物は存在しない事が分かります。

では「エシィカー」とは一体何なのか?そもそも人の名前か?それともどこかの場所か、鏡も他には全くヒントをくれないので、主人公はたったそれだけの文字と、この建物に何かあると考えて鏡が求める「エシィカー」を探します。

このままだと離れ離れになっているとはいえ大事な家族までもが犠牲になってしまう。主人公はやっぱり建物自体が怪しいと踏んで、相変わらず夜の暗い建物の中、しかも地下の下水の方に入って行って、その先の壁をハンマーでガツンガツン。

そこで発見した事実は、なんと、この建物は昔精神病院だったという事で、壊した壁の向こう側には閉鎖された特別病室が隠されていたのでした。

しかもそこにもたくさんの鏡が。何枚もの鏡が中央に向けて輪になるように並べられ、その真ん中には拘束具のついた椅子が1つ置いてあり、どう見ても怪しいと思った主人公はデパートではなく、精神病院の方で調べる事にします。

そして明かされる「エシィカー」の謎。家族に迫りくる魔の手。水浸しの床と一部ペンキの剥がれた鏡。水の向こう側へ連れて行かれる子供と必死に抵抗する妻。あなたを待ち受ける衝撃のエンディングとは!

以下、ネタバレになりますので、未見の方はここで止まって下さい。

ネタバレです

「エシィカー」とは、昔その病院で鏡を使った治療を受けた少女で、現在は修道院にいる老女です。彼女は幼い時、まるで獣のように凶暴に暴れてて手に負えなかったのを、精神病院の先生に連れて行かれて鏡の治療を受け退院しました。

しかし、彼女の退院後3日経った時、患者達がお互いを殺し合うという事件が起きて病院は閉鎖されました。つまりこの時から何かがあの場所に居ついた訳ですね。

その何かとは悪魔だったのです。つまらないオチですね、まぁそれはさて置き、その悪魔はエシィカーに取り憑いていたのですが、鏡の治療により彼女から鏡の中へと移動させられて、ずっとそこを彷徨っていたそうです。

それで、現実世界(鏡の外)に出たい彼?は、自分が取り憑いていたエシィカーをずっと探していたのです。彼女にしか戻れないみたいなので。

自分が戻れば悪魔がこの世界に出てきてしまうと渋った彼女を何とか説得した主人公は、彼女を連れて例の地下室へ。そこで悪魔は喜び勇んで彼女の中に移動しました。

凶暴で暴れまくるエシィカー(悪魔)を、地下を爆発させるという荒業でやっつけた主人公。同時期に水の中に引っ張り込まれて死にかけていた息子も戻ってきて、家の方では一安心です。

悪魔も倒してハッピーエンド!と思ったのもつかの間。ヘロヘロになった主人公は建物の中から出てきて気付きます、消防士さんたちのネームプレートなどの文字が鏡写しになっている事に。

よく見るとボロボロの主人公に、誰も見向きもしませんし、完全にスルーされています。街中に出ても同じで、彼がそっと鏡に手を重ねると、実際に人が居る向こう側に手痕だけが残って終わり……というバッドエンドでした。

つまり彼は爆破の際に悪魔を倒せたが鏡の向こう側に閉じ込められてしまった、という訳です。悪魔を倒せて、家族も救えて、しかし自分は救えなかったという後味の悪い終わり方になってます。

死んではいない、とは思いますが、どうなのでしょうね。死んだから囚われてしまったのかな、とも思うのですが、その辺りは謎のまま終わります。

こちらから消せない手痕は、向こう側からつけられた手痕ですよーって意味なんでしょうけど、まぁ、家族守れたし悪魔倒せたしいいんじゃないんですかね、一応ハッピーエンドという事で。

なお、これ続編出ていまして、本作との繋がりは全くないのですが、2の方がより派手でグロくスプラッター要素もホラー要素も増量されてますので、ぜひそちらも合わせてご覧下さい。

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