ホラー映画ランキングで必ずと言っていいほど上位にランクインし、話題が話題を呼んだ本作はショップレンタルでもネットレンタルでもなかなか見つかりません。

何でも売ってるアマゾンさんでも未だに値段があまり落ちていなく、見たいけど見れない!という方もいらっしゃる事でしょう。

また、洋画に同タイトルで全く関係のないものが出ているので、間違えて借りてしまった方もいるかもしれませんね(私は間違えそうになりました。同じタイトルが見つかったので喜んだ矢先、洋画で違うと分かった時の絶望感と言ったら……)

そんな訳で、今回は邦画ホラーで様々な伝説を残した本作「オーディション」をさくっとちくっとご紹介させて頂きます。

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キリキリキリ……痛いでしょう?キリキリキリ……怖いでしょう?

上記はこの作品のキャッチコピーになりまして、パッケージにも予告編にも出てきます。このフレーズだけ知っているという方もいらっしゃるかもしれませんね。

約2時間の作品ですが、1時間ほど経過した頃から物語は一気に突き進み、後半は幻想と現実が入り混じり何が現実で何が夢なのか分からなくなります。

そして、幻想の世界はくるくると場面が飛びながら繋がっていき、重苦しくしっとりジワジワとした恐怖が襲い掛かり、現実の世界は痛い、の一言に尽きます。

拷問映画の「ホステル」の派手さとは違って、地味に痛いシーンが続くので、痛さはこちらの方が強いかもしれませんね(「グロテスク」の拷問シーンの方がもっと凄いかもしれませんが)

それでは本編のお話に移りましょうか。後半の後半の痛いシーンは実際に見て頂いた方がその痛さがどれだけのものなのか分かって頂きやすいと思いますし。

【オーディション】はamazonプライム会員で30日間無料で見れます。ちょっと、この映画がプライムに入っているのがびっくりです。まだの方はこれ見るだけでも価値があるかと。

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映画のオーディションで再婚相手を探す中年男

主人公の青山は7年前に病気で妻を亡くし、それ以降男手1つで一人息子を育てつつ会社を大きくして頑張ってきました。

そんなある日、息子から「オヤジ、最近くたびれてるから再婚でもすれば?」と言われ、妻の面影を引きずり続けていた青山も重い腰を上げて再婚を考えるようになります。

しかし、特に好意を寄せている女性がなく、しかも青山は理想の女性像が高いので(若すぎるのは嫌で、何かしら訓練、習い事を長年している女性は自分に自信を持っているからしっかりしているという考え方)なかなかいい相手が見つかりません。

そこで親友の吉川は、自社が制作する映画のオーディションで主演女優を募集するから、一緒にオーディションに参加してその中から好みの女性を探せばいい、と提案してきます。

最初はそんなの詐欺にならないのか?それで見つかるのか?と引け腰だった青山ですが、事前に渡された履歴書と作文の中から、1人の女性が気になるようになります。

その女性は長年バレエをしていたのですが、腰をダメにしてしまって出来なくなってしまった。彼女にとってバレエが全てだったので、それを失ってしまったのは死んだも同然……と作文に書いていて、その内容に妻を亡くしてしまった己の心境を重ねてしまったのかもしれません。

青山のこの辺りの心境は置いといて、そんな訳でオーディション開始。様々な女性が現れるのですが、青山はやる気ゼロ、質問はほぼ親友の吉川が行っていきます。

かなりの時間が流れ、かなりの女性をスルーしていった青山の前に、例の作文を書いた女性、山崎麻美が現れ、青山は今までの面接が何だったんだと思うくらいに感情的に質問攻め……そう、やはり彼は麻美を待っていたのです。

こうして二人は出会い、青山は麻美にどんどん惹かれていき、何度も二人きりの食事を行うようになり、そしてプロポーズする為に二人で旅行に行くのでした。

身元不明 謎の多すぎる女性

美人で大人しく素直でいい子な麻美ですが、何かが気になると吉川は思うようになり、少し探りを入れると、彼女を個人預かりとしている事務所のプロデューサーが行方不明になっている事を知ります。

麻美は週に3回ほど知り合いがママをしているバーでお手伝いをしているとの事ですが、そこがどこにある何という名前のバーなのかも分かりません。

つまり、彼女を知っている人間が見つからないのです。パッと見いいところばかりの麻美に吉川は怪しさを感じ、短時間で距離を詰めていく青山を咎めるのですが、麻美に夢中になってしまっている青山は言う事を聞きません。

身元を保証してくれる人間がいない。何処に住んでいるのかも分からない。綺麗な花にはトゲがあると言いますし、麻美の怪しさは満点なのですが、青山はもう引き返せないほど麻美にハマッてしまっているのでした。

前半はラブストーリー 後半はサイコスプラッター

共に一夜を過ごした二人だったのですが、翌朝目が覚めると麻美が居ません。どんなに電話しても繋がらず、何処に住んでいるのかも分からず、麻美が最後に教えてくれたバーは1年程前にママさんが殺されて潰れていて、麻美が見つからないのです。

「もうあの女の事は諦めろ」という吉川の忠告も聞かず、むしろ逆ギレして「もうお前には頼まねぇよ!自分で探す!」と制止も聞かず飛び出していく青山。

履歴書に載っていたバレエスクールに行くと、そこは廃屋になっていて扉は板で塞がれています。諦めて帰ろうとした青山の耳に、ふとピアノの旋律が聞こえてきました。

板を外して中に入って行くと、そこには車椅子に座った初老の男性がいて、麻美の事を聞くと「お前はあの女を見たのか、あの女に触れたのか、あの女の匂いを嗅いだのか、あの女を抱いたのか」と奇妙な事を言うだけです。

どう見ても普通ではなくなっているその男は、最後に「帰ってくれ」と言い、結局麻美の居場所は分からず仕舞いでトボトボ自宅に帰った青山なのですが、ウイスキーを飲んだ後に倒れてしまいました……麻美は既に青山の家に来ていたのです。

青山の意識が飛び、ボロボロで薄暗く薄汚いアパート。車椅子の男。大きな麻布の袋。息子の彼女。会社の部下。家事をしてくれるお手伝いさん。病気で亡くした妻。幼い頃の麻美……様々なシーンがくるくる、くるくると流れ、麻美の憐れな過去が露わになります。

「その人はダメ」亡き妻の警告は、青山に届かない。「その人はダメなの」恐怖に震える彼女の言葉は、青山に困惑を与えるのみ。

そして、青山が現実に戻った時、麻美の愛が、痛みと恐怖が青山を襲います。「私だけを愛して」麻美の歪んだ心が、狂気となり視聴者に恐怖を与えます。

オーディションが残した様々な伝説

ところで、本作「オーディション」は様々な伝説を残していきまして、今でもそれは残り、この作品を色褪せないようにしていますので、その内容をご紹介させて頂きますね。

2000年の第29回ロッテルダム国際映画祭では記録的な人数の途中退出者を出し、1人の女性からは三池監督を「悪魔!」と罵らせたそうです。

2001年のアイルランド映画協会員限定で無修正版が流された時には、数人の会員が失神し、そのうちの1人が入院したそうです(後に無事退院)

ホラー映画監督のジョン・ランディスやロブ・ゾンビからは「オーディションの残酷なシーンには目を背けたくなった」というコメントを寄せていたそうです。

アメリカタイム誌が2007年に発表した「ホラー映画トップ25」に、邦画の中で唯一「オーディション」だけがランクインしました。

更に、クエンティン・タランティーノが選ぶ映画ランキング(1992年~2009年)では堂々の第3位を獲得しました。

ちょっとだけネタバレいきます

序盤からちょこちょこ出てきて意味ありげな視線を寄越してきた女性社員。幻想世界でようやくその理由が分かった訳ですが、一夜限りの過ちを犯していたのですね。

それにしてもボロボロの室内で座り込んで猫背になって俯いたまま人形のようにジッとしている麻美の姿はいやーな怖さを演出していますね。

ラスト、階段から突き落とされて首を折って死んでしまったのに、青山の方をまっすぐ見ながら幸せだった頃のデートの時のセリフを口にするのはいやーな後味を残してくれました。

「グロテスク」の方がグロいし、「ホステル」の方が派手ですが、「オーディション」が一番痛いかもしれませんね。

ところで、パッケージにも書いてある「キリキリキリ……」って、このリズムだと思っていたのですが、「キリキリキリキリー♪」なんですね、ここだけは予想と全く違いましたw

すごく楽しそうに笑いながら「キリキリキリキリー♪」って言うんですね、文章だけだと伝わらないと思いますが、結構早いですよ、ゆっくりではないです。

最後に、麻美は幼少期に歪んだ愛を押し付けられ、ああいう風になってしまったのですね。彼女は彼女で被害者です、やりきれないですね、ワンコ殺されちゃいましたし(泣)

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